建物の屋上に草木を植えて緑化をはかる屋上緑化。植物を利用することで建物内の温度を一定に保つ手法自体は古くからありますが、近年加速する都市化、都市の中でのヒートアイランド現象などの環境問題を受け、対策の1つとして注目度が高まっています。

その効果と、注意すべき点についてご説明いたします。

屋上緑化の効果とは?

断熱・省エネ効果

第一の効果は断熱効果です。植物および植えられている土壌が、夏は日光による熱を遮り、冬は内部の熱を閉じ込める役目を果たすので、室内の温度を一定に保つ効果があります。

屋上緑化をしたことで、夏の室内の気温が1〜3度低くなったという調査結果もあります。

空調の利用も抑えられるので、省エネにもつながります。

ヒートアイランド現象抑制

ヒートアイランド現象の原因のひとつは、建物の表面が太陽の熱によって非常に高熱になり、その熱が大気中に放出されるためと言われています。

屋上緑化により、建物表面温度の上昇が抑えられるほか、土壌や植物などの蒸散作用により周辺の温度が下がるため、ヒートアイランド現象の発生を抑制する効果が期待されています。

建物の劣化防止

土壌や植物が保護層の役割を果たし、紫外線や酸性雨による建物の劣化を防止します。

景観向上・ヒーリング効果

緑化された空間は視覚からのリラックス・ヒーリング効果も期待でき、また、景観の向上につながります。

屋上緑化に対する助成金

2004年に都市緑地保全法が改正され、開発の規模などの条件によっては一定割合の敷地内緑化が義務付けられたこともあり、屋上緑化、壁面緑化などの緑化に対し助成金や補助金を支給する自治体が増えてきています。

制度の有無、設けられている条件などは自治体により異なりますので、事前に確認しましょう。

屋上緑化の方法

屋上緑化の方法は様々ですが、最近ではパッケージ化、軽量化が進んでいます。

設置場所も、平らな屋上だけではなく、勾配のある屋根などに対応可能なものも。個人宅用に、慣れている人ならDIYで導入できるタイプもあります。

メンテナンスのしやすさ、用途、建物のタイプなどにより適した方法、価格は異なりますので、業者と相談しましょう。

屋上緑化、導入で気をつけるべき点は?

防水・耐根

屋上緑化を導入するにあたり、防水対策は最も重要なポイントのひとつです。

屋上はもともと防水対策がなされていますが、この機能を阻害しないことが求められます。経年により防水機能が低下しているなど、状態によっては屋上緑化を導入できないケースもあります。

また、植物の根の力はとても強く、万一防水層を貫通して建物に根が張られてしまうと、雨漏りや構造上の問題を引き起こす可能性もあります。

重さ

普段あまり意識することはありませんが、建物には積載荷重の制限があり、地震の多い日本では厳しく設定されています。軽量化が進んできているとはいえ、業者などと相談しながら荷重制限を超えることのないよう十分配慮することが必要です。

排水

近年、ゲリラ豪雨など、一局的に大量の雨が降り、都心でも冠水する事例が発生しています。このような雨量も考慮し、今まで以上に建物の排水は重要になっていると言えます。

植物は排水を妨げないように配置し、土や落ち葉などが詰まったりしないよう、土壌の流出防止、排水溝のこまめな清掃などのメンテナンスが必要です。

そのほかにも、高層建築であれば風が地上よりも強くなるのでその対策、植物への灌水(水やり)の方法など、注意すべき点があります。

緑化の必要性が増す一方、土地に限りのある都市部では、今後ますます屋上緑化へのニーズは高まってくると考えられます。人々の目だけでなく、環境にも優しい屋上緑化、効果的に取り入れて、癒しの空間を楽しみましょう。